月と、チャットと、たまにブログ。

主にチャットの話をすると思います。

もうひとつの日常 1

※注意※
小説なので、暇じゃない人、
下手な文章を見たくない人はお帰り下さい。
では、どうぞー。


1.広がるもうひとつの世界


突然だが、皆に問おう。
世界とは、今ここにある物だけだと言えるだろうか?

僕はそうは思わない。

ふと、そんなことを考えてしまっていた。
薄暗い茜色に染まる空。
やはり、こんな下校の最中(さなか)にどうでもいいことを小説的な口ぶりで自問自答する癖が付いてしまっているようだった。

…厨二じゃないよな。

…とりあえず自答しておくとする。
もうひとつの世界とは、ネットなどのことを指し、現実世界とネットワークは紙一重である。
まあ、何もかもが主観だろうが、自分一人だから責められようがない。
よって、今言ったことは正しい。
と、さらに問答を繰り返していたら、マンションに着いていた。
疲れたので、現実逃避をするべく、
ゲーム機の電源を、入れた。

         × × ×

この僕には、『ムーン』という肩書きが存在する。
勿論、それはネット上で、勝手に名のっているものであるが、
最近、僕個人、過度の妄想が激しくなり、チャットの情景が映し出される始末。

…厨二じゃないよな。心配になってきた…。
自分のこれからに心配になりつつあったが、足は自然にチャットへと向かった。
映像が映し出される。何か夢を見ている感覚だ。
それにしてもうちのチャット、何で大都会の裏通りっつうか、細い一本道に建ってんのかな。
厨二感満載じゃないか。大丈夫なのか。
どうでもいいことを考えながら、扉を開けていった。
少し遠慮気味に開けると、余計に「ギギギ…」と嫌な音が響きわたる。
ホラゲーによくあるよな、こんな音。

建てつけ悪いな…。

「どうしたの?」
少し不機嫌な顔が出てしまっていたようで、心配そうな声色で問われる。

黒月さん。
チャットで数少ない女性だ。相変わらず可愛いので見とれてしまっていた。
じっと見られていることに不信感を抱いたのか、黒月さんはこちらをジト目で見つめる。
自分の過ち(笑)に気づき、とりあえず相槌を打つ。

「いえ、何もないですけど(苦笑)」
実際何もなかった。
目立っていない奴が急に目立とうとすると、相手側は不快だろうし、こちらとしても罪悪感という名の十字架を担ぐのは勘弁なので、以下の点を踏まえて、扉の目立つ音に苛立ちを示しただけで特に何もない。
どうでもいい見栄を自分に言い聞かせていると、扉がまた開く、いい加減自動ドアにしてもらいたい。
「こん」
「こんちゃー」
「こんです」
Iceさんが入ってきた。
分かりにくいと思うので、補足、
上から、Iceさん、黒月さん、僕。

と、まあこんな感じで、
もうひとつの世界を満喫している。

というか、さっきから黒月さんが怪訝な目付きでこちらを睨んでくるんですが、何でですか。

…あ、僕が独り言をぶつぶついってるからですね。すみません。